いかまっとの今日からここは宝島

息をするようにアニメを見る人間のサブカル系ブログ。アニメ・映画のレビューを中心に書いていきます。

こんな世界は嫌だ。真夏に涼を取れるホラーアニメ『新世界より』感想

前回の更新から2週間経っちゃいました。どうも、非常に卒業が危ないいかまっとです。あー、全て投げ出して異世界に行きたい。

 

ということで今回は現実逃避がてらアニメ『新世界より』を視聴してきましたので感想綴ります。

 

ネタバレを大いに含みます。

ご注意ください。

 

 

 

こんな世界は嫌だ。真夏に涼を取れるTVアニメ『新世界より』感想

 

不気味すぎるSFサスペンスホラー

全25話くらいだったかな?Amazonプライム・ビデオで一気見。このアニメ、OPがちょっと変わってます。使い回しのOP用映像ではなく、毎回OPに合わせて本編が進行するタイプ。タイトルといい毎度視聴者を飽きさせない演出には目を見張ります。OPがない分作画枚数増えそうなのに、ほんとすごい。

 

舞台は未来の人類が超能力者となり、超能力前提の社会が築かれている日本。超能力を持つ主人公たちが社会の歪みに巻き込まれていく、みたいな話です。超能力がロクに使えない子供は学校に消されたり、超能力による大虐殺が起こったりと恐怖要素満載。一見突飛な話なのですが、設定が良く練られてるので物語に引き込まれます。そのせいで一層怖い。

 

一言で言うと頭から終わりまで終始不気味な描写が目立つホラーアニメでした。夜見るのが怖すぎた。怖いの苦手な人は一人で見ないほうがいいです。別にTVから女が出てくるとか、血塗れの臓物が出てくるとか、そういうことはありません。日本的ホラーって言うんでしょうか、恐怖がひしひしと這い寄ってくる感じです。しかも主人公たちは恐怖体験の記憶を大体消されてしまうので、何もなかったかのように日常パートが続くという気味の悪さ。後半は人間のエゴなど後味の悪さも加わり、一度見れば中々忘れられないアニメでした。

可愛いキャラクターたちが恐ろしい出来事に巻き込まれる、というとひぐらしに少し近いかな。

 

ひぐらしと大きく異なるのはラストです。ひぐらしの方は前向きな終わり方なのですが、新世界よりは真逆。

 

超暗いです。

 

超能力者の社会において危惧されるのは同士討ちでした。人間同士の殺し合いを避けるため、攻撃抑制と愧死機構を遺伝子に組み込む予防策を取っていましたが、それでもたまに例外が現れます。

それが悪鬼。人間を意図的に傷つけようが何の代償もない人間です。物語終盤で大暴れして多くの犠牲者を出します。

普通の人間には人型を攻撃することができないので、悪鬼を超能力で止めることはできません。

最終的には主人公の奇策によりこの悪鬼を殺して物語は終了(本当は悪鬼ではないらしいけど割愛)。悪鬼を唆した人間の敵、バケネズミも人間によって残酷な刑に処されます。首謀者を殺したので、これからも不安定な管理社会は続くエンド。

実はこの悪鬼、主人公の親友の子供でした。なんてこった。しかもバケネズミは祖先が人間。超能力を持った人間が、人型の存在による反逆を恐れネズミの遺伝子を混ぜたもの。

文字にするとあんまり気持ち悪さが伝わらないんですが、とにかく暗い。

けどこのネズミのオチは結構好き。伏線(?)にあった超能力者社会のなりたちが垣間見える。人間が攻撃できないならネズミにしちゃえ!なんて自分たちを守るためとはいえ恐ろしい発想です。人権団体があれば黙っていないことでしょう。倫理観なんてカケラもないですね。

でもまぁ生か死かを選ばないといけない時に倫理観のためと死ねる人間なんているんやろうか、って気もします。同じような立場にあれば私も生き残るための道をとります(それにしたってやりすぎ)。人間のエゴが生み出した惨劇なんて現実にもある。この点においては遠い世界の話とは思えませんでした。平和な日本で暮らすから見えてこないだけで、もしかするとバケネズミのような戦いの最中だって人もいるかも。

 

ねむたいのでこの辺で。